エンジニアの業務では、さまざま隠語が用いられている。日常生活で何気なく使っている用語が、違った意味に捉えられることもあるので注意が必要だ。
では、知っていると役立つIT業界にまつわる隠語とは、どのようなものなのだろうか。

まず挙げられるのは、「つぶす」だ。
一般的には物体を物理的にへこませる状態を指すが、エンジニアの隠語では、保存していたデータをリセットするためにハードディスクを初期化する作業のをことを指す。
また、「親」というワードは、IT業界で親プロセスの略語として使われることが多い。プログラムを作成する過程で別のプロセスを生成した場合に、大元として実行を開始したプロセスのことを親と呼ぶ。ちなみに大元ではないプロセスは、子プロセスと呼ぶことがある。
その他にも作成したデータを送信することを「投げる」と言ったり、蓄積されているデータを順番に検索していくことを「舐める」と言ったりもする。これらの隠語を知らずにIT業界に飛び込むと、仕事中に思わぬすれ違いが生じることもあるので、エンジニアを志す人は予め理解しておくようにするべきだろう。

すでにエンジニアになっている人は、他業種の人に無意識で隠語を使ってしまわないように注意する必要がある。
プログラムの作成中はひたすらパソコンに向かうことになるが、システム開発を受注する段階では、システムの概要や作成スケジュールについて顧客と綿密なコミュニケーションをとる必要がある。その際にすれ違いが生じるような言葉を使ってしまうと、トラブルにもなり兼ねない。
IT業界に広まっている隠語は、あくまでもエンジニア同士のコミュニケーションのみで使う心構えが必要だ。